事業承継にあたり人事労務の問題はどう取り扱えばよい?
中小企業によく見られることですが、雇用条件をきちんと明示していない、本来必要な残業代を支払っていない、残業をさせているが36協定の締結・届出していないなど、経営者が意識できていない部分で、労働基準法等に違反していることがあります。
もし、違反を見過ごしたまま事業承継を行い新体制がスタートしてしまうと、後継者は、先代経営者時代の違反のために、思わぬ請求や労基署による行政処分等を受ける可能性があります。たとえば、残業代の時効は2年ですが、それでも複数名から同時に残業代請求がなされた場合には、中小企業の資金繰りにとっては、馬鹿にならない金額になることもよくあります。
また、会社を守るためは、法令遵守だけでは足りず、事業承継前に、就業規則や雇用契約書にも様々な工夫を施す必要があります。
トラブルを防止し会社を守るためは、人事労務関連のリーガルチェックを実施するとよいでしょう。
チェック項目の一例としては、
□ 就業規則など法令上必要な諸規程が作成されているか
□ 労基署への届出を忘れていないか
□ 就業規則や雇用契約書の内容に不備もしくは会社に不利な点はないか
□ 残業代の計算方法・支給方法は適切か
などがありますが、チェック項目は多岐にわたりますので、事業承継前に専門家のサポート受けて社内の問題点調査を行い、後継者へのスムーズなバトンタッチを行いましょう。