有望な後継者が2人おり、承継後はツートップ体制としたいが、どうにも2人のウマが合わない。どうしたらよい?
会社分割を検討してみましょう。
事業承継を検討する際に、後継者候補となる人物が複数いる場合、候補者同士の人間関係もひとつのポイントです。ツートップ体制とした場合に、本当に会社がうまくいくのか慎重に検討しないとなりません。
例えば、それぞれに経営能力のあるA取締役とB取締役がおり、この2人のツートップ体制として事業を拡大していきたいが、2人の相性が悪いといった場合です。
このような場合にツートップ体制としてしまうと、せっかく事業拡大をにらんで事業承継をしたのに、事業承継後に権力争いが起き、大事に育ててきた会社が内輪揉めにより弱体化してしまうといった事態も懸念されます。
そこで、あえて無理にツートップ体制とせず、会社分割をすることで、2人の対立を回避する方法が考えられます。
まずは会社を事業部門ごとに分割し、新たに2社を新設します。
その上で新設した2社に事業部門毎に事業を承継し、各候補者をトップに据えます。
併行して、先代経営者が保有する2社の株式を、それぞれの候補者に分け与えていきます。
会社分割を行うにあたっては、対株主・対債権者・対従業員・対取引先など、さまざまな利害関係者との関係で、違法性がないかどうか等も含め多くのチェックポイントがありますので、見落としの無いようにするためにも、専門家のアドバイスを受ける事をお勧めします。